「ゆるゆる副業で簡単に稼げる」という甘い誘いの広告が近年急増しています。ゆるゆる副業だけではなく、スマホだけで簡単に稼げる系は全て詐欺といっても過言ではありません。
酷似している詐欺として消費者庁は以下の注意喚起を発表しています。
令和元年から令和3年の夏までにかけて、簡単な作業をするだけで「誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができる」などという LINE1のメッセージによる勧誘を受け「副業」の「マニュアル」を購入してしまったが、実際の「マニュアル」に記載された「副業」の内容は告げられたものとは異なっていたなどという相談が、各地の消費生活センター等に数多く寄せられています。
消費者庁「簡単な作業をするだけで「誰でも1日当たり数万円を稼ぐことができ
る」などの勧誘により「副業」の「マニュアル」を消費者に購入させ
た事業者に関する注意喚起」
また、詐欺かもということでネット検索をしてしまったばかりに二次被害に繋がってしまうというケースも頻繁に起きています。
【注意喚起】ゆるゆる副業は危険な詐欺の可能性がある
ゆるゆる副業は、非現実的な高収入と簡単な作業を謳う典型的な詐欺の手口を用いており、その危険性は極めて高いといえます。
まず、ゆるゆる副業が提示する以下の6つの内容は、すべて現実離れした誇大広告です。
- 毎月100万円の収入
- 「むりなく!ゆるく!」
- 時給5,000円以上
- 10分の隙間時間での作業
- 完全無料での提供
- 全員への3万円応援金プレゼント
これらの条件を冷静に分析すると、その非現実性が明白です。10分の隙間時間で時給5,000円、月収100万円を稼ぐことは、通常の労働市場では考えられません。さらに、このような高収益のビジネスモデルを完全無料で提供することは、経済的に成立しません。
仮に、このような驚異的な収益が本当に可能であれば、既に社会現象となり、多くの人々が通常の雇用を捨てて参加しているはずです。しかし、そのような事態は起きていません。
また、「完全無料」と謳いながら、実際には初期費用が発生することが判明しています。これは明らかな虚偽広告であり、詐欺的行為の一つの指標となります。
このような非現実的な条件を提示する副業は、ほぼ間違いなく詐欺です。たとえ興味を持ったとしても、期待通りの結果を得られる可能性は皆無に等しいでしょう。
ゆるゆる副業への参加を検討している人は、この事実を十分に理解し、慎重に判断してください。安易に参加することで、金銭的損失だけでなく、個人情報の流出など、さらなる被害に遭う可能性があります。
ゆるゆる副業の仕組みと怪しい点
ゆるゆる副業の仕組みは、巧妙な詐欺の手口を用いて金銭と個人情報を搾取することを目的としている可能性があります。誘導の手口は広告による誘導であり、広告を通して非現実的な報酬や条件を提示し、LINEを介して個人情報を収集します。
3万円プレゼントの罠
ゆるゆる副業が謳う「3万円プレゼント」は、実際には受け取ることがほぼ不可能な詐欺的な手法です。その真相は、プレゼントを受け取るには、まず初期費用の支払いが必要であり、これは「完全無料」という謳い文句と矛盾しているからです。
初期費用の支払い後も、さらに複雑な条件をクリアしなければプレゼントを受け取れないそうです。これらの条件は、意図的に達成困難なものに設定されている可能性があります。
この手法の真の目的は、お金で釣って登録者を増やし、さらなる金銭を搾取することです。
この手法で実際に3万円を受け取った人はほぼいないと考えられます。このような手口は非常に悪質であり、単なる登録だけで3万円が受け取れるという虚偽の期待を煽ることで、被害者を増やそうとしているのです。
月収100万円の誇大広告
ゆるゆる副業が主張する「月収100万円」は、完全な誇大広告であり、現実には達成不可能な金額です。この謳い文句が詐欺の兆候である理由は、一般的な副業で月収100万円を稼ぐこと自体が難しく、楽して稼ぐことは不可能だからです。特に、LINEの登録だけでこのような高収入を得られるということはありえません。
この副業は、SNSプラットフォームで誇大広告を用いて宣伝されています。このような手法は、詐欺的なビジネスの典型的な特徴です。LINE登録後、実際には危険な副業や違法な活動に誘導される可能性が高く、LINE登録を通じて収集された個人情報が悪用される危険性もあります。
さらに、このような誇大広告は法律違反の可能性が高く、参加者も知らずに違法行為に加担する恐れがあります。
結論として、ゆるゆる副業のような怪しいインターネット広告や、非現実的な高収入を謳う副業には絶対に近づかないようにしましょう。
このような詐欺的な副業に登録することで、金銭的損失だけでなく、個人情報の流出や法的トラブルに巻き込まれるリスクが高まります。
ゆるゆる副業の運営会社の不透明性
ゆるゆる副業の運営会社は極めて不透明であり、その実態を確認することは困難です。この不透明性は、詐欺的な事業の典型的な特徴であり、利用者の権利保護や法的責任の所在を曖昧にする意図が見受けられます。
特定商取引法に基づく表記の欠如
ゆるゆる副業の運営元は、特定商取引法で義務付けられている重要な情報をほとんど開示していません。運営元は単に「ゆるゆる副業企画」と表記されているのみで、正式な会社名は不明です。
特定商取引法に関する開示情報 | 詳細 |
---|---|
運営元 | ゆるゆる副業企画 |
info@stellarhub.online |
さらに、メールアドレス(info@stellarhub.online)以外の連絡先情報、具体的には電話番号や所在地の記載が一切ありません。運営元が実在の企業なのか、その所在地はどこなのかを確認できないのです。
実際に、提供されているメールアドレスに問い合わせを行いましたが、返信は一切ありませんでした。これは、運営元が意図的に連絡を避けている可能性があります。
特定商取引法に該当するため「違法」である
ゆるゆる副業の運営方法は、特定商取引法に明確に違反しています。特定商取引法は、消費者保護の観点から、事業者に対して会社名、代表者名、所在地、連絡先などの情報を明確に開示することを義務付けています。しかし、ゆるゆる副業はこれらの情報をほとんど開示していません。
この法律違反は、単なる手続き上の問題ではありません。特定商取引法は消費者を詐欺や不当な取引から守るための重要な法律です。
この法律に違反することは、消費者の権利を侵害し、潜在的に違法な商取引を行っている可能性を強く示唆します。
したがって、ゆるゆる副業は特定商取引法違反であり、法的に問題のある事業であるといえます。
詐欺というのは立証されるまで確定されませんが、特定商取引法の違反は明白であり、ゆるゆる副業が詐欺的な性質を持つ可能性を更に強調するものです。
ゆるゆる副業に登録してしまった人の対処法
被害を最小限に抑え、さらなるリスクを回避するための具体的な対処法を紹介します。
消費者センターへ相談
消費者センターへの相談は、ゆるゆる副業の被害者にとって重要な第一歩です。消費者センターは、専門的な知識と経験を持つ相談員が対応し、適切なアドバイスを提供してくれます。
この相談は、問題の即時解決には至らないかもしれませんが、被害者が一人で抱え込まずに状況を整理し、次の行動を冷静に考える上で非常に大切です。
また、消費者センターに相談することで、同様の被害の実態把握や防止対策の立案にも貢献できます。
警察に通報
警察への通報は、ゆるゆる副業の詐欺的行為に対する対応策です。即時の解決は難しいかもしれませんが、警察に報告することで、この事案の重大性や緊急性が認識される可能性があります。
特に、被害者が多数存在する場合や、事件性が高いと判断された場合には、警察が本格的な捜査を開始する可能性が高まります。これにより、ゆるゆる副業の実態が明るみに出て、より多くの人を被害から守ることができるかもしれません。
弁護士に相談
弁護士への相談は、特にネット詐欺に強い専門家を選ぶようにしましょう。返金手続きや法的対応を検討する際には、弁護士のアドバイスが不可欠です。
ただし、インターネット上の情報だけで弁護士を選ぶのは危険です。代わりに、信頼できる友人や知人に相談し、実績のある弁護士を紹介してもらうことをおすすめします。弁護士との相談を通じて、個々の状況に応じた最適な法的対応策を見出すことができます。
LINEブロックと退会手続き
LINEのブロックと退会手続きは、ゆるゆる副業からの更なる被害を防ぐためにも必要です。ただし、これらの行動を取る前に、必ず弁護士に相談し、適切なタイミングと方法を確認するようにしましょう。
退会前に、やり取りの履歴やウェブサイトの内容など、すべての関連情報のスクリーンショットを取っておくことも重要です。
これらの証拠は、今後の法的手続きや被害回復の際に重要な役割を果たす可能性があります。適切な助言を得た上で、慎重にLINEのブロックと退会手続きを行うことで、自身を守り、さらなる被害を防げます。
【二次被害】調べたサイトから新たにLINE登録してしまった
ゆるゆる副業の被害者が、その詐欺性を確認しようとして新たな詐欺に遭う「二次被害」のリスクが高まっています。この二次被害は、最初の被害よりも深刻になる可能性があるため、細心の注意が必要です。
「ゆるゆる副業 詐欺」というキーワードで検索する人は、既に詐欺の被害に遭った、あるいはその疑いを持っている可能性が高い人です。
誰にも知られたくないという心理から、匿名での相談を求める傾向があります。この心理を悪用し、「ゆるゆる副業は詐欺だから気をつけて」と警告しつつ、LINEでの相談を持ちかける新たな詐欺の手口が増加しています。
詐欺師の視点から見ると、このような検索をする人は「一度詐欺に騙されている人=騙されやすい」というリストになります。そのため、別の副業や弁護士を紹介するなどと称して、さらなる金銭的被害を引き起こす二次被害のケースが発生しています。
当メディアが検索した結果、上位表示されているサイトのほとんどがLINEに誘導しているものばかりでした。全てではないかもしれませんが、可能性も否定できないため注意してください。
まとめ:ゆるゆる副業は危険な詐欺の可能性が高い
このような二次被害を防ぐためには、インターネット上で見つけたLINEアカウントに安易に登録しないことです。
代わりに、信頼できる公的機関である消費者センターや警察に相談することをおすすめします。
残念ながら、ゆるゆる副業や関連する詐欺で失った金銭が返金されるケースは非常に稀です。しかし、適切な対応を取ることで、少なくとも二次被害は防げます。
最初の被害で受けた経済的・精神的ダメージを更に悪化させないためにも、安易にインターネット上の情報や相談サービスを信用せず、正規の相談窓口を利用することが極めて重要です。
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